一般社団法人
さんりく未来推進センター
地域みらい推進センター に名称変更の手続き中
需要減少に傾く地域社会においては、誇りと活力をもって生き長らえられるよう、着実に「新たな価値を創出」するためのプログラムが緊急に求められています。これに応え大都市の企業等と地域がいっしょになって地域の仕事/暮らしづくりに取り組むための結びつけ・仲介サポート支援(公民地域協創協議会)を新たにご提供いたします。
公民地域協創協議会の概要(PDF) Q&A(PDF)
また、その効果を地域のあらゆる分野に連鎖的に波及させ好循環させることで、地域を力強く創生する「新たな地域創生戦略」を提唱するとともに、その処方箋を開発・助言を展開。これらをとおし、全国の地域創生の実践・支援に取り組んでまいります。
2018年9月
代表理事 高村義晴
(日本大学理工学部まちづくり工学科
地域活性化伝道師・グローバルビジネス学会)
6年余の三陸沿岸被災地での教訓・反省と知見を全国に還元
二地域就労促進市町村連合から新たな体制へ
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新たな地域創生構想
そもそも「地域創生」の目標は、一にも二にも“人口減少、少子高齢化等の急速な進展により需要減少に傾く地域が、地域の総力と知恵を集め、誇りと活力をもって生き長らえる地域社会を形成していくこと”にあります。そのためには、地域に新たな価値をつくり出すことで、欠乏するものを直に補っていく必要があります。それは「国の地方創生戦略」や「東日本大震災の復興の原則」のなかでも言及されている「仕事」であり「暮らし」です。絆(つながり)、誇り、楽しみも欠かせません。そしてこれらを生み出すのは、“ひとの創造性(遊戯自在・自主自由)”と“ひとのつながり”に他なりません。このことは6年余の東日本大震災の被災地の復興のなかで体得したものです。
しかし需要減少に傾く社会では、そのための人材を短期間に内発的に生み出していくことは厳しく、大都市や他地域との連携やつながりを求めていく必要があります。それも単なる“パイの奪い合い”や“体(てい)のいい他人頼み”では、場当たりの対応になりかねず効果は限られます。そのための有効な実効性あるプログラムが、地域と大都市・他地域等が一緒になって、地域に新たな価値を創造し、地域に仕事や暮らしなどをつくり出していくことなのです。そしてこのための知見を提供するのが、「公民地域協創(二地域就労等)」となります。
けれどそれを繰り返すだけでは単発の連続にしかならず、十分な成果は得られません。それを起爆剤に地域のなかに価値創造の“連鎖の循環構造”(連鎖・循環構造)をつくり出し増殖させていくことが望まれます。それにより十歩も、百歩も地域は創生されていくことが期待されます。そしてそのためのノウハウや考え方を提供するのが、「ライフスタイルのブランド化による地域づくり構想」「土地の美意識構想」「なりわいコミュニティ構想」なのです。これらの知恵を生かしつつ、連鎖・循環構造の青写真を描き、地域で共有していくのです。これによりトリガープロジェクトの果実がどんどん増えていくのです。
要するに、大都市・企業等と地域との新たな関係づくりによる価値創出といったトリガープロジェクトと連鎖・循環構造により地域創生を目指すのがここでの「地域創生戦略」となります。
また需要減少が大きく危惧される際には、小手先だけではいかんともしがたく、地域社会自体のあり方や生き方そのものも見つめ直していくことが求められます。地域の考え方・行動基準、地域経済社会の仕組みを変えていかざるを得ません。
地域創生の循環構造
地域創生構想を支える4つの構想
1.二地域就労構想
二地域就労構想とは、“大都市等との協創による地域の生業・仕事づくり”に他ならず、そのための具体的な方法論を提唱するもので、既に国の国土形成計画に位置付けられた施策です。
地域のこだわり・美意識に彩られた仕事・人などに共感する「大都市や他都市等の人材・企業」。それらの方々と、「地域の人や事業者・地域等」とを結びつけ、そこに新たな付加価値を創出することで、生き生きとした地域の生業・仕事を興す取組みをいう。それにより双方が潜在可能性を花開かせていくのです。
二地域就労の核心は、大都市等に住む人が、地方の生業・仕事づくりに関わるところにあります。この一点こそが要諦であり、さまざまな形態が想定されます。地方に居住しているか否かに関わらず、地域の生業・仕事づくりに寄与するのであれば、テレワークや、時々の来訪、短期的な滞在・就労、極端なことをいえば、大都市等に居住し、地方と組み地方の商材・サービスを大都市等に売り込んだり、コラボ商品をつくり出したりしてもよい。企業・団体、集まり、個人など主体も問いません。
2.ライフスタイルのブランド化による地域づくり構想
「ライフスタイルのブランド化による地域づくり」とは、これからの地域づくりを模索する中で、市場経済の生活文化産業化の動きや、高松、長浜、沼津等の地方都市の事例を踏まえ行き着いたものです。
「ライフスタイルのブランド化」とは、単にお洒落(しゃれ)や流行(はやり)のスタイルを提案しようとするものではない。それぞれの風土のもとで育まれる伝統的な暮らしや、地域の個性、美意識・作法等を見つめ直し、地域固有のライフスタイルを生み出すことです。スローライフに徹底してこだわる「スローシティ」なども、この「ライフスタイルのブランド化」の一つのイメージと考えてよいでしょう。
ブランド化をとおして、地域の潜在可能性を花開かせ、人の定住・交流、地域の産業の活性化、信頼と絆の再生、地域の誇りや愛着の創出などを目指す。それによって、持続可能な都市や地域の創生を達成しようとする。これが、「ライフスタイルのブランド化による地域づくり」であり、ポスト工業社会の地域のあり方、暮らしを機軸とする新しい地域戦略に他なりません。
ライフスタイルのブランド化による地域づくり(PDFファイル)
3.土地の美意識と仕事づくり構想
地方の土地、土地は、固有の地域の文化が息づき、多彩な祭り・伝統芸能、生活文化、作法に彩られます。地域の感性や豊かな四季に包まれた暮らし。先人から連綿と受け継がれてきた美意識。地方には、その地に根差した暮らしがあり、美しい日本の暮らし、“ほんもの”があります。
三陸では、三陸の美しく、豊かな暮らしの楽しみ方、美意識・こだわり、作法、自然観などを広くお伝えし、そこで繰り広げられるものづくりなどに秘められた想いや願いを明らかにすることで、その魅力を引き出そうとする取組みとして「さんりく美意識プロジェクト」を提唱しています。それらに彩られることで、三陸のものづくりなども新たな輝きをまし、そこに付加価値が生まれます。
4.なりわいコミュニティ構想
起業者相互の心の拠り所として、そこにみんながつながりながら、助け合い、刺激や情報交換、さらにはビジネス上の恩恵を受けながら、銘々が自分の事業をつないでいく。そこには多彩な起業者等の結びつきによるクリエイティブな営み(小さなイノベーション現象)も活発に見てとれる。
このような起業者等の集まりを、共同体的集団に見立て“なりわいコミュニティ”と名づけました。それを地域に形成することこそが、起業者等が銘々の事業を継続させる大きな手助けとなります。心の支えと併せビジネス上の恩恵をもたらす「新たなソフトインフラ」となる。そしてその諸活動に共感し、公的機関だけでなく、地域内外の力がそこに集まり、“なりわいコミュニティ”を支えることになります。