地域と大都市との協創による地域の“新たな価値創造”をはじめとして、ここでの提案についての理解を深めていただくため、これまでの市町村・都道府県の皆様や関係府省庁の方々、民間の皆様との意見交換のなかでご質問いただいたことをQ&Aの形でまとめてみました。

  ここでご説明するのは、(1)協議会の関すること(2)地域創生戦略に関すること―の二つです。

1. 公民地域協創協議会に関すること

 これだけ地方創生が声高に叫ばれ、国が地方創生戦略を打ち出し、関係府省庁により多くの施策が講じられているにもかかわらず、相変わらず、その秘訣が首長のアイデアとやる気、地域の真剣さ、国の本気度といった精神論だけにとどまっている感は否めません。知恵や知見があまり積みあがっていない。こんなことを繰り返していいはずがありません。現在、足りていないのは、地方創生に対する熱意や想いというよりむしろ、需要減少社会に対応した新たな思想、対処療法に替わる原因療法、そして力と知恵を結集させる体制-に他なりません。

Q1 協議会設立の目的やねらいは何なのですか。

A 地域は人口減少が急速に進み超高齢社会に突入し、地域づくりの担い手となりうる人材の流出にも歯止めがかかりません。移住もけっきょく”パイの奪い合い”のような状況になりかねません。このような状況で、地域の内発的な成長だけを叫んでも限界があります。そのヒントが大都市と地域の連携・交流による小さなイノベーション(新たな価値創造)にあることは疑いないが、現在のところ、その具体的実践方法は確立されていません。

  一方で、企業等の目が地方にも向き、広く大都市居住者のなかに地方回帰の志向が広まっています。働き方についても兼業/副業、新たなワークスタイルなど新時代に向けた議論が求められています。

  これらに着目し、ここでは、大都市の企業や団体等(大都市住民や就労者を含む)が、地域との相互の信頼関係を築き地域に関わり、地域との協創のもとに地域の仕事づくり/暮らしづくりに取り組むプログラムを提案します。具体的には、そのような結びつきの機会や場の提供、さらには協創活動(仕事づくり/暮らしづくり)のサポートを総合的に整え、もって内発的成長を懸命に目指す地域が、大都市や外部との相利共生の関係のもとに、その力と知恵を取り込み、誇りと活力をもって生き長らえていける社会の実現に資することを目的とするものです。

Q2 協議会の設立の意義はどういうところにあるのですか。

A 協議会は、基本的に市町村、民間企業等を構成メンバーとし、各メンバーが情報・知識・知恵の交流を行い、触発・切磋琢磨し合い、個々に企業等と地域が結びつき具体の協創活動を通し地域の仕事づくり/暮らしづくりの実現を目指す。最終的な成果は、個々の地域で生み出された仕事等となります。

  このような取組みを進める上で、協議会の設立は次のような三つの意義を有します。

(1) 地域創生の新たなモデル・実践知の創造

  一つは、地方創生の有効な考え方・思想、手法なり知見、モデルとなり得る取組みをつくり出したい。そのためには実践しかありません。そこに力強く貢献し、「地方創生の先導モデル」を広く全国に示していきたい。また実践をとおし地方創生の新たな思想や手法にも切り込んでいきたい。

  需要減少に傾斜する地域において、大都市や他地域との交流・連携が重要であることは繰り返し叫ばれてきました。いま重要なことは、識者が会議室で検討したような企画や試案ではなく、そのための実践と効果検証に裏付けられた具体的プログラムでありモデルに他なりません。そして実践から紡ぎだされた知恵・知見、ノウハウです。協議会は、実践をとおし、まさにそのことを目指そうとするものです。

(2) 新たな協創関係の創出(つながることによる推進力)

  地方と地方、民間と行政、国と地方、学術と実践の協創関係を築いていきたい。地域がそれぞれに“限られた自分の力と知恵”だけでこの至難な問題に対峙していくことはますます厳しくなっています。この国として地方創生に挑む関係者の協創関係性を築いていくことが望まれます。

  協議会においてつながるのは、市町村(地域)と企業等ですが、これにとどまらず市町村相互や企業相互がつながることで、それぞれが新たな情報や刺激、着想を得ることが可能となります。また国とつながることで国の施策や政策、取組みにも反映させることができます。

  そうして他での類似事例/参考事例等の情報提供も受けつつ、協創活動を通し地域の仕事を生み出していく。そしてそこで得られた実践知を協議会のなかに還元することで、協議会の共有知として蓄積され、他のメンバーに提供されていくことになります。

(3) 地域創生に取り組みやすい環境・仕組みの整備

  地域が地域創生に取り組みやすい環境を整えたい。地域では、自前で知恵やノウハウを調達することが厳しくなっていることを踏まえれば、外からそれを自在に呼び込める仕組みは大きな手助けとなります。その仕組みを築き、広く提供していきたい。また公民の新たな関係づくりにも寄与していく。

  個別の地域と企業等が協創活動を展開し地域の仕事づくりを実現していく上で、結びつきの場や機会を提供するだけでなく、解決すべき隘路や、必要となる手助けや環境についても検討しサポートを考えています。これにより、ただ手をこまねいているだけではなく一歩を踏み出しやすくなります。

Q3 協議会の会員になるとどのような利点があるのですか。

A Q2の裏返しにもなりますが、改めて整理するなら、次の五点を挙げることができます。

 ① 大都市等の企業等と結びつく仕組みを活用することが可能となります。また協議会に参加することで、そのような意思  

  をもっていることを広く発信することで、新たなつながりができる可能性が広がります。

 ② 民間と行政、大都市と地方といった異質な領域や分野が交流することで、新たなつながりができるだけでなく、刺激や触

  発、あるいは着想が起こりやすくなります。異質なものの電位差(差異性)が大きければ大きいほど、このような効果は高

  まることが期待されます。

 ③ 同じようなことに取り組むメンバーが、席を同じくすることで、他の会員の実践知が提供されるだけでなく、相談・助

  言、情報交流などがもたらされます。

 ④ 協議会として活動することで、国等に対し必要な施策や対策を提案したり訴えたりすることがしやすくなります。発言

  力・発信力を高めることが可能です。

 ⑤ 今後とも地方創生は内政上の重要課題であり、国の関係省庁などにおいて、モデル事業が施策として打ち出されることが

  想定されます。その際、ここでの取組みや情報、ネットワークは、このようなモデル事業への取組みの大きな手助けになる

  ことが期待されます。むろん、地方が独自に創生施策や関係施策を検討したり、企業が新たなビジネスチャンスを求めたり

  する際にも題材やアイデアとなるもの考えられます。

Q4 会員にはどのような努力義務が課せられるのですか。また会費はどうなるのですか。

A 協議会は親ぼくや単なる情報交換の場ではないため、会員は「大都市等と地域との協創による地域の仕事/暮らしづくり(公民地域協創)」などの実践に努める必要があります。そして実践をとおしその実践知を協議会に還元なり広く情報発信していくことが求められます。

  一般的な会費については、当面予定はしていません。ただ事務局として印刷や発送、情報発信などにある程度の経費がかかるような状況になれば、必要な会費をお願いすることも検討しています。また特段のコーディネート、プロデュースなどが必要になるときには、別途の経費の負担をご相談させていただくことになります。

Q5「大都市と地方との協創による、地域の新たな価値創造」とは、「地域に仕事をつくり出すこと」だけを意味しているのですか。

A ここでの「新たな価値」とは、地域が誇りと活力をもって生き長らえていくうえで、不可欠なもの。具体的には、それにより地域に仕事や暮らしをもたらすものが考えられます。ほかには誇り、つながり(絆)、楽しみもあるかもしれません。このサイトの他のページでは、「仕事づくり」としていますが、必ずしもそれだけに限定する必要はありません。初めから限定的に考えると、地域の多彩な可能性を封じてしまうことになりかねません。ある程度の膨らみや柔軟性をもって考えることが望まれます。

Q6  実際に大都市や企業側に、地域に関わり地域に新たな価値を創造しようとするニーズや動きがあるのですか。

A 現在、次に示すように、大都市・他地域の住民、企業等の地方への関心の高まり、セカンドライフ・働き改革としての副業/兼業に対するニーズ、サテライトオフィスや地方創生ビジネスの動き、研修や福利厚生、CSR/CSVの動き、ふるさと意識などにより、地方の地域に関わりたいとする潜在ニーズが存在し、一部にその動きが始まりつつあります。ただ現在のところ、このような動きは、狭いつながりのなかだけに止まり、そのニーズを大きく花開かせる仕組みが求められています。それが今回提供する「公民地域協創協議会」なのです。

 

(参考;大都市や民間企業等の動き・ニーズ)

(1)「地方創生ビジネス」の動きや関心が活発化するとともに、企業においても従来の社会貢献を超えて新なビジネスチャン

  ス、福利厚生(社員のセカンドライフ支援、メンタルヘルス支援)、研修などの観点から地方に対する関心が増している。

(2)さらには、「働き改革」の一環として兼業/副業を認める企業が増えており、社員のなかには、地方と一緒になっての地域

  の仕事づくり(ビジネス)を希望するところも出てきている。

   ①企業のCSR/CSV活動  ②新たなビジネスチャンスを求めての企業活動(地方創生ビジネス含む)③「大都市・他都市

   の企業」と「地域の企業等」との連携 ④セカンドライフの社員支援に関心又は実践している企業等 ⑤福利厚生の一環

   として地方とのつながりを求めての活動(研修/福利厚生施設等)⑥遠隔でのコミュニケーション手法・方法の提供に関す

  る活動 ⑦サテライトオフィスの展開 ⑧大都市等での仕事の地方への発注 ⑨その他、多様な働き方の実践に関心のあ

  る企 業等 

(社員/個人の動き)

  ①セカンドライフとしての地方での活動 ➁大都市の仕事(作業・企画・デザイン、OA作業等)を地方で実施(多様な働き

  方)③地方のプロジェクトに大都市の人たちが参加・分担 ④ワークライフバランス志向 ④特定の地域の支援を副業と

  して実施 ⑤将来の移住・二地域居住を睨んでの準備活動

Q 7 「大都市・他地域の住民、企業又は社員」が地域に関わる動機として、ボランティアやふるさと意識、地域に対する共

 感性なども重要と考えますが、いかがですか。

当社団は、6年余にわたり東日本大震災の沿岸被災地を見つめてきましたが、ボランティア等では活動なり関係は長続きせず、それが途切れたとき、逆に地域が衰弱するという光景を目にしてきました。ご指摘のような共感、ふるさとへの想いなどの情緒的要素から入ることは有効ですが、長続きするには、それだけでは危うく、やはり経済的なメリットが重要です。くわえて人はいかばかりであろうと報酬(金銭等)が得られることで、本気になり意外な創造性を発揮するようなところがあります。

  しかも地域が疲弊するなかで、若者が戻ってくるためには、生きがいとなり誇りとなる仕事が欠かせません。どうしても経済的なつながりという点、ビジネス仕立てにこだわる必要があります。必要経費や成功報酬など、身の丈に応じたとことから始め、徐々にわずかでも報酬・収入になっていく。そんなことでもよいと思います。

〈マッチングの方法〉

Q8 いっしょになって地域に仕事等をつくり出すパートナーをどのようにして確保するのですか。

A そのための仕組みが、「公民地域協創協議会」なのです。市町村等会員と民間会員がそれぞれに想いを交換することで、双方に関心のある相手方は浮き彫りになってきます。けれど、それだけで地域の仕事づくり等が叶うわけではありません。

よくマッチング会や商談交流会などが開催されますが、これまでの経験からすれば、実際には、それだけで成果が手繰り寄せられるわけではありません。異質なもの同士が組むということ自体、双方にとってほとんど未経験の領域であり、互いに住んでいる世界や論理/価値基準も相違します。最初から信頼関係があるわけでも、詳細な契約が結べるほどに共有されているものがあるわけでもありません。双方の話合いが混乱し、難渋したり上辺だけの取組みに止まったりすることも軽少ではありません。

  まさにこのところが、マッチングの急所となります。今回については、そのために要請にもとづき、仲介的なプロデュース/コーディネート機能を事務局の方で用意しています。むろん双方の話合い、調整でものごとが進む場合には、これらを活用する必要はありません。

Q9 双方の結びつきをつくり出す具体的な進め方をどう考えていますか。

A 簡単にその基本的枠組みを記載します。

≪公民地域協創活動の枠組み≫

Step1 会員それぞれからの提示・提案 会員

  会員からの個別プロジェクトシーズ/ニーズの提示・提案

Step2 マッチング 事務局

  個別プロジェクトシーズ/ニーズをもとに、双方の共有価値を見出し「共有プロジェクト」づくりを行う。

  その際、事務局の関わり方としては次の三つの方法が想定されます。方法2と方法3は双方からの要請が前提となりま

      す。

   方法1 相互の出会い・紹介で、あとは会員相互の話合いに委ねる。

   方法2 事務局として仲立ち(調整)に入る。双方の想いを翻訳し、双方の話合いが円滑に進むようサポートする。コ

       ーディネート役

   方法3 双方のシーズ・ニーズをもとに、事務局として「プロジェクト仕立て」にし、それをもとに地域、企業、事務

       局よる三者体制で検討。プロデュース役

Step3 公民地域協創活動の実施

  基本パターンとしては、個別事案ごとに企業等(社員を含む)、地域代表、当該市町村の間で、地域の仕事づくり等に向

      けた活動計画を立て、実施に関する協定を締結し、実施に移されます。

       ✔トータルプロデュース

    高村義晴(社団代表理事)他

  ✔コーディネート/プロデュース

   〇 SGB(グロ-バルビジネス学会)メンバー(地方大学・会員)〇 専門家グループ 〇 関係協会 〇地域活性化

   伝道師

Q10「地域」と「大都市・他地域の住民、企業又は社員」が一緒になって地域の仕事づくり、暮らしづくりなどに取り組む営みを活発化させるには、どのようなことが必要となりますか。

A これまで当社団では、企業と地域を結び付ける役割を数多く担ってきました。そこでの失敗やノウハウを提供させていただきます。

  一般的なボランティアや企業の社会貢献は、比較的一方向の想いでも叶いますが、少しでも経済的要素が入り込むと、そうもいきません。異質な領域の人や組織が結びつくには、まず相互に相手方の考え方、仕事の仕方、価値観そしてルール・規範等を知ることが望まれます。そして信頼関係です。

  これまでの経験によれば、お互いに関心なり興味は覚えるものの、具体の話合いに入ると思っていることがつながらず、双方ともに不信感を募らせ空回りしてしまうことが往々にして生じます。企業や社員にとって、地域に対して魅力ある提案でも、上手く地域とつながらない原因は、こんなところにあります。

  このため、事務局として要請があればコーディネーターを配置することを予定しています。また社団では、簡単な地域向け、企業向けのセミナーなども開催したいと思っております。

  そのうえで重要なことは、具体の協創の取組みに向けて「共有価値の創造」です。双方の想いだけでは、実施には移せません。それぞれにとって意義なりメリットが共有されなければなりません。それは見つけ出すというより、つくり出す(創造)ものです。地域にとってありがたくメリットがあっても、それが企業や社員にとって単なる負担でしかなければ、仕方ありません。事務局では、これまでの経験とノウハウを生かし、この共有価値の創造をお手伝いします。

Q11 「二地域就労」と、ここでの「公民地域協創」とは、どう違うのですか。

A ねらうところは、基本的には同じです。6年前に提唱し取り組んできた「二地域就労」が想定したワークスタイルを弾力 

的に解釈しようとするのが、ここでの「公民地域協創」です。そもそも「二地域就労」とは、現在の国土形成計画に位置付けを有するものであり、大都市の企業や住民の地方への関心の高まりに伴い、大都市の企業・住民等が地域とつながり、地域といっしょになって地域の仕事づくりを進める“大都市居住者の新たなワークスタイル”を意味しました。そこでは、大都市や企業と地域がつながりいっしょに仕事づくりが行われるかどうかが、核心となります。

  しかし実際には、大都市で就業していないケース、複数の地域を就労先としているケース、地域で就労というより、生きがい等で取り組むケース―などが見られ、これらを除外する必要性は全くないため、混乱や誤解を回避すべく、敢えて「二地域就労」という言葉に限定しないことにしたものです。「二地域就労等」と表現していいのかもしれません。

ちなみに二地域就労等そのものも、ある一時点での形態であり、それが二地域居住や移住に移行することがあってもよいと考えます。

Q12 なにゆえ、市町村等の会員の他に、民間会員が参加することになっているのですか。

A この協議会の前身である「二地域就労促進市町村連合(会長;天草市長)」は、市町村長より成っていました。それは市町村間の情報交換と切磋琢磨、情報発信、国の関係府省庁への働きかけなどを目的としたもので、実践ということに重きを置いておりませんでした。けれど、今回は地域創生をリードすることをねらいとし、そのための先導的なモデルを築くことに主眼を置いています。このためには、企業等と行政が対等の立場で信頼をつなぎ、協創関係を構築していく必要があります。

  また需要減少社会では、これまでのように行政が環境や基盤を整えれば、あとは民間活動委ねれば、状況が好転していくようなことは望みようもありません。地域に成長の種が豊富にあるときには、単純に行政が主体となって水や肥料、光を降り注げば、すなわち環境を整備すれば済みますが、種そのものが少なくなっているのです。となれば、種をつくり出す必要があります。そのためには、これまでのように行政の都合で民間を恃(たの)みとするのではなく、行政と民間が一緒になって知恵を凝らすほかありません。

2. 地域創生戦略に関すること

 

 右肩上がりの都市の時代から、需要減少の地域創生の時代への移行に伴い、内発的思考では限界があります。市場経済においては、ものをつくったりするにしても、いかなる地域であろうとも大都市や全国からの影響を受け外とつながらざるを得ません。一方でその地独自の固有価値や個性、連綿と受け継がれていることやモノを横においては、地域のなかから新たな価値を創造することはかないません。

ここでの「公民地域協創(二地域就労等)」とは、地域に「新たな価値」を創造するための、大都市と地域との協創による「実効性のある具体的なプログラム」です。けれど、これだけで地域創生が叶うわけではなく、その勢いをさらに地域の末端にまで浸透・波及させ、力強く地域を創生していくには、「地域創生戦略」といった全体構想が必要となります。

 

Q1 地方創生とはせず、どうして「地域創生」といっているのですか。

 

A 地域、地域が地域の総力と知恵をもって「誇りと活力をもって生き長らえる地域社会」を築き、しっかりと次の世代に受け継いていく。このような地方の裾野を形成する地域の取組み、下からの積み上げなくして「地方創生」は叶わないと考えます。この趣旨を明らかにするとともに、精緻な議論を積み上げるため、「地方創生」とはいわず「地域創生」としていたものです。

 さらにいえば、じつはこのような取組みが望まれる地域は地方に限らず、大都市でも不気味に空き家/空地化が進行する「周辺部や郊外」「公共交通の利便性に劣る地域」などに見られます。このような政策的必要性も、「地域創生」という言葉に籠めております。

 

Q2 地域創生の目標をどのように考えていますか。

 

A ここでの目標は、一にも二にも“人口減少、少子高齢化等の急速な進展により需要減少に傾く地域が、大都市や他地域とつながり、地域の総力と知恵を集め、誇りと活力をもって生き長らえる地域社会を形成していくこと”にあります。そのためには、地域に新たな価値をつくり出すことで、欠乏するものを直に補っていく必要があります。それは「国の地方創生戦略」や「東日本大震災の復興の原則」のなかでも言及されている「仕事」であり「暮らし」です。絆(つながり)、誇り、楽しみも欠かせません。そしてこれらを生み出すのは、“ひとの創造性(遊戯自在・自主自由)”に他なりません。このことは6年余の東日本大震災の被災地の復興のなかで体得したものです。

  また需要減少が大きく危惧される際には、小手先だけではいかんともしがたく、地域社会自体のあり方や生き方そのものも見つめ直していくことが求められます。地域の考え方・行動基準、地域経済社会の仕組みを変えていかざるを得ません。このことは半市場経済や里山資本主義等の議論と、現在の市場経済の折り合いにも関わってきます。

たとえば交通事故にあえば、自分の身体や身体機能、さらには暮らしや仕事をもとに戻すべくリハビリに努める必要がありますが、後遺障害が残るとなればライフスタイルなり生き方を変えていくことも大事となります。

 

Q3 ここでは地域創生に向けて、いかなる戦略を描いているのですか。

 

A いつまでも手をこまねき、あるべき論を論じていても仕方ありません。事態が好ましくない方向に傾いているのに、同じようなやり方を無邪気に繰り返していてはなりません。一歩を踏み出す必要があります。けれど、もはや地域単独での対応では限界があるかもしれません。その際のとっかかりとなる有効な一手(トリガープロジェクト)が、地域と大都市・他地域等が一緒になって、地域に新たな価値を創造していくことなのです。このための知見を提供するのが、「公民地域協創(二地域就労等)」となります。

  けれどそれを繰り返すだけでは単発の連続にしかならず、十分な成果は得られません。それを起爆剤に地域のなかに価値創造の“連鎖の循環構造”(連鎖・循環構造)をつくり出し増殖させていくことが望まれます。それにより十歩も、百歩も地域は創生されていくことが期待されます。そしてそのためのノウハウや考え方を提供するのが、「新地域創生構想」のページにある「ライフスタイルのブランド化による地域づくり構想」「土地の美意識構想」「なりわいコミュニティ構想」なのです。これらの知恵を生かしつつ、連鎖・循環構造の青写真を描き、地域で共有していくのです。これによりトリガープロジェクトの果実がどんどん増えていくのです。

  要するに、大都市・企業等と地域との新たな関係づくりによる価値創出といったトリガープロジェクトと連鎖・循環構造により地域創生を目指すのがここでの「地域創生戦略」となります

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